キース・ジャレット ソロコンサート顛末
2014-05-05-Mon 14:56

5/3(土)、キース・ジャレットのソロコンサートに娘と一緒に行ってきました。
三十年ぶりぐらいのフェスティバルホール。
といっても、ホール自体は改築されて昨年にオープンした新しいものです。
昨年のホールのオープニングの際にキース・ジャレット・トリオの公演があり、それを見たかったのですが、気がついた時には既にソールドアウト。
今年もキースのソロコンサートがあることを知ったので、今度こそはという感じでチケットを購入しておった訳です。
彼も70歳に近く、これを逃すともう生で見られないかもという思いもありました。
S席10,000円。最近のコンサートの価格の相場観を知らないので高いんだか安いんだかようわかりませんでした。

20140503_182418_Apple_iPhone 5

20140503_182814_Panasonic_DMC-TZ30.jpg

20140503_182938_Panasonic_DMC-TZ30.jpg


で、結論から言いますと、今までに経験したことの無い後味の悪いコンサートになってしまいました。
写真撮影をしている観客がいたり、酔った外国人の観客に話しかけられたり、観客の咳が気になったりで、キースの集中力が途切れたようで、演奏を途中でやめてタオルを宙に放り投げそのままコンサートは終了してしまいました。
その後、納得のいかない観客が、ホールのロビーでプロモーターのキョードー関西の責任者やフェスティバルホールの関係者を取り囲んで、払い戻しや謝罪を求める抗議集会的なやり取りが深夜(翌日の2:00頃)まで続いたようです。
私も23:20ぐらいまでその場に居て、状況を見ていました。
※コンサートの時間より、もめ事を見ていた時間の方が長い。トホホ。
※朝日新聞の記事はこちら。

以下、抗議集会の図。

20140503_212014_Apple_iPhone 5



以下に私自身が見聞きしたことを時系列で記載します。
18:30頃 ホールに入る。
     ・ここで初めて、ライブレコーディングが行われることを知る。
      それ以前にライブレコーディングの告知は無かったように思われる。
     ・1stセットが19:00~19:50、2ndセットが20:10~21:00の予定であることを知る。
      これもそれ以前に告知は無かったように思われる。
     ・一人に一袋、ライブやイベントの広告が30枚ぐらい入った袋を手渡される。
19:10頃 1stセット開始
     ・演奏の導入部の静かな部分で咳があり、計3回ぐらい演奏がストップ。
      ストップ後はそれまで弾いていた曲とは違う曲を弾く。
      (3回は全部違う曲)
     ・咳はかなり気になっていたようだが、咳に対するジョークのような事も
      言っていたようで、まだ、この時点では少しは余裕はあったような感じ。
     ・一旦舞台の下手の袖にひっこむが、短時間で舞台に復帰し演奏を継続。
19:50頃 1stセット終了
     ・予定より約10分短い40分ほどのセットとなった。
20:10頃 2ndセット開始
     ・観客が写真撮影していたようで、写真撮影と録音は禁止されている旨の
      アナウンスが入る。
20:25頃 3曲目の冒頭の静かな部分で咳があり、キースが大きな声を出して演奏中止。
     ・ここで、1階の酔った外国人が「どうして咳でいちいち演奏を止めるんだ。
      ナーバス過ぎるのではないか」といったことをキースに向かって発言した模様。
      ※前述の抗議集会で聞いた話。
     ・ここでキースは「自分は完全に白紙の状態からインプロバイズして集中して
      演奏している。観客の皆さんも集中してほしい」
      もしくは「咳をできるだけ止める努力をしてほしい」と言ったみたい。
      ※これも前述の抗議集会で聞いた話。
       あくまで伝聞なので、どこまで正確な話かわかりませんし、ニュアンスもわ
       かりません。
     ・その後、キースは約15分舞台の下手袖にひっこんでしまった。
20:40頃 演奏再開
21:05頃 私の席(2階)の斜め後ろで比較的大きな咳があり、キースが
     またも大きな声を出して演奏中止。使っていたタオルを宙に放り投げ、
     舞台の下手の袖へ。
     もう、キースが舞台に戻ってくることは無かった。
     ここで「本日のコンサートは終了」とのアナウンス。
     ・中断を除くと予定より約15分短い35分ほどのセットとなった。

私は今までにこんなに緊張を強いられたコンサートは初めてでした。
私も娘も咳もせず、物音もたてずに聴いていましたが、どこかで誰かが咳をして演奏が中断されるのではないかとひやひやしながら聴いていました。
こんな緊張した状態で聴いていましたから、全然、楽しめませんでしたし、どんな曲を演奏していたのかも、あまり記憶に残っていません。

確かに「ここで咳したらマズいやろうなぁ」っていう静かな部分で咳が出ると必ず演奏はストップ。
でも、2,700人の観客の咳を完全にコントロールするなんて無理な話です。
どんなに我慢しても、出るもんは出ます。

ツイッターを見ていると「キースのソロコンサートとはそういうもので、それを理解せず咳の対策をしてこない、もしくは咳を我慢出来ない観客が悪い」って論調が結構多いです。

じゃあ、咳もせず、物音も立てず、静かにしている何の落ち度も無い大多数の観客はどうなるんでしょう?

コンサートを見た後、飯でも食って気持ちよく帰ろうと思っていたのに、逆に極めて不愉快な最後となりました。
コンサート中は極めて強い緊張を強いられてましたし。

我々はあくまで客なのに・・・。
ただ、客で金を払っているからといって、客が何でも免責されるとは思ってません。

でも、少なくとも観客は5/3(土)分だけでも総額で2,700万円以上の金額を支払っており、それをタオルを「やってられない」大阪弁なら「やっとれまへんわ」とばかりに放り上げて、演奏をやめてしまうなんて、観客を侮辱する行為のような気もします。
キースを擁護するような論調が多いですが、いくら芸術家といえども客やファンに金を支払ってもらって生きている訳であり・・・。
こんなことを書いたら、キースのコアなファンからお叱りを受けそうですが、芸術家といえども資本主義のル-ルの中で生きている訳で・・・。
少なくとも、コンサートで観客を落胆させて帰したらアカンと思うのです。

地方から交通費を払って時間を使って楽しみにして来られた観客の方もいらっしゃる訳で、そういう方々はホント気の毒だと思いました。

抗議集会の中で、キースのマネージャーがこう言っていました。
「今回のキースの演奏は完全に即興で、天から音が降ってくるといった感じで、例えれば
綱渡りをしているようなものです。綱渡りの途中で周りから咳をされれば、バランスを崩して落ちてしまうでしょう」
いやいや、サーカスでやってるプロだったら、咳ぐらいもろともせず、渡りきっちゃうでしょう。プロだったら渡りきれよってね。
マネージャーさん、比喩が適切でなかったですね。

今回のプロモーターのキョードー関西の対応がとてもまずかったと思います。
・キースのソロコンサートがそういうシリアスなものであるなら、物音や咳に対する注意
 が重要である旨を事前にアナウンスすべきではなかったのか?
 また、中断の後にもそういうアナウンスをすべきではなかったか?
・物音に対する注意が必要なら、ライブやイベントの広告が入った袋なんて手渡したら
 アカンのではないか。(そんな袋は物音の原因になるだけ)
・そして、ライブレコーディングをやるなら、事前に告知すべきではないか。
 レコーディングをしているということ自体が演奏者をよりナーバスにさせる可能性が
 あり、より物音や咳に対する注意が必要になるため。

また、プロモーターは観客よりもキースに気を使っているような感じがしました。
まあ、ミュージシャンやアーティストって変わった人が多いからわからないでもないけど、
お金を支払ってるのは観客だし、そのお金でアンタ達も飯食ってんでしょ!

ツイッターなんかでは大阪の観客はマナーが悪いとか、また大阪の観客がやらかしたみたいに書かれてて、心外っちゅうかなんちゅうか・・・。
そもそも、日本人って世界でも最も静かな聴衆やと思うんです。
実際、抗議集会の席で「イタリアのコンサートなんかメチャうるさいやないか!」みたいな話も出ていました。
欧米の人と比べて権利意識も薄いのであまり文句も言わない。
今回、酔っていたとはいえコンサート中に文句を言ったのは欧米系の外国人。
そんでもって、キースって何度も来日してて、日本人が静かな聴衆であること、最もお金を支払ってくれているファンであることも理解しているはず。
そういうことを考え合わせると、やっぱり納得いかない部分が多いコンサートでした。

それと、トリオだったらここまでの事態にはなっていなかったような気がしました。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

いやあ、
この公演行かれてたんですか(*^_^*)
これはキースが神経質すぎるし酔った外国人はナイスツッコミでしょう(笑)
もはやジャズではないですね

追伸
エルヴィンのポリリズムは素晴らしい!

topcym>ゴロゴロさん

ゴロゴロさん、こんにちは。
そうですよね。仰るとおり、もうこれはJAZZではないですよね。
欧米だったら、こういう状況だったらどうなるんでしょうね?
ツイッターで、ジャズミュージシャンの端くれなら、咳ぐらいで演奏止めるなとか、エヴァンスはもっと雑音の多い環境で名演を残しているではないかとか、少数ながら批判的な意見もありました。
P.S.
エルヴィン、ホントかっちょいいですよね。

No title

キースのコンサート、行こうか行くまいか迷いましたが、もう近年は、車や家の中で名盤を楽しむのが一番心地良いです。

まぁ今回の件はキースが心身ともにバッドコンディションだったということでしょう。

主催者とも事前にマネジメントか何かで問題があったのかもしれませんね。

プロなんですから、名演奏でバッドな客を黙らせてほしいもんですね。

topcym>ひろべえさん

ひろべえさん、こんばんは。
昨年、トリオを見ておくべきでした。
私には完全即興のソロというのは、しんどすぎました。
私はJAZZを弾いてるキースは好きですが、ケルンコンサートみたいなキースにはあんまり興味がないっちゅうか・・・。
2ndセットにブルース的というかゴスペル的な曲がありましたが、それだけは楽しんで聴けました。

そりゃ勘違い

だいたいそんな大きなホールでJAZZを演奏しなくてもいいのではないかと思う派なので。咳しちゃいけない、寝ちゃいけないのマナーはクラシックコンサートにさせておけばいいものを。
キースだってもともとは煙もんもんのヤジやかけ声が行き交うライブハウスで演奏してたんでしょ?
もともとそういう嫌いのある人だと記憶してますが、自分を何様とおもっとんねん。と、すみません、行ってもいないのに怒ってます。
せっかくお嬢さんとのコンサートでしたのにね。

RE:そりゃ勘違い

nikkokisugeさん、こんばんは。
ソロとはいえど、そう、私はJAZZを聴きたかったんです。
やっぱり、こんな神経質な音楽は私には楽しめませんでした。
観客がちゃんと観客として扱われていないのは、やっぱり納得できませんね。
仰るとおり、JAZZミュージシャンの端くれやったら、そんなナーバスでなく、
もっと豪快で猥雑な音楽を奏でてほしかったなぁ・・・。
で、フェスティバルホールは音響の優れたホールですが、それが災いして観客の咳もステージに
よう聞こえたんやと思います。
山下達郎に言わせると、かつてのフェスは観客席から音が降ってくるようだったとのこと。
まあ、今回のキースには落胆させられましたわ。

災難でしたね

この件、今日車のラジオで聞いて初めて知りました。フェスティバルホールでS席一万円ならビッグネームとしては比較的リーズナブルと思います(平時なら)。こないだ来たストーンズはS席18000円、今度長居でやるポール・マッカートニーは17000円ですからね。
ライブって客からするとチケット買って、その日の仕事を調整してみたいなことから全部特別な事ですよね。娘さんとライブに行かれるというのもそうだし。で、その日内容が酷かったらホントがっかりしますよね、お察しします。
キースを擁護するわけではないけど、演奏する側からは気になる人はホント気になるみたいですね。先日名古屋の友人に聞いた話ですが、山下達郎はライブの途中で時計をチラチラ見てる客を追い出しちゃったらしいです。「あなた、さっきからずっと時計見てるけど非常に失礼ですよ。気になってしょうがないから出てってくれ」みたいなこと言ったら、そのお客さんは出てってしまったそうです。そのお客さんが時計を見てた理由は定かではないのですが、もしかしたら遠くから来て電車の時間が気になったのかもしれないし、時計ぐらいどうってことはないような気がしますけど、アーティストってのは気難しいもんですね。

RE:災難でしたね

mucho66さん、こんばんは。
山下達郎のエピソード、あんた何様って感じですね。
そりゃ、時計も見るわよ。
ミュージシャンはもっと客をリスペクトせんとアカンと思います。
そのお客さん、きっと屈辱的な気分になったでしょうし、金返せって思うでしょうね。
その後、どうなったんでしょうね。
キョードー大阪から、次回、キースが来たときの優先招待と割引の電話がありました。
今回の問題を次回の公演で相殺するなんて変な話です。
やっぱり、ケジメをつけるなら、今回の費用そのものをいくらかでも返金すべきでしょうね。
大体、次、キースは大阪に来るんやろうか?
仮に来ても私はもう行きませんし。
プロフィール

topcym

Author:topcym
1965(S40)年11月、大阪府吹田市の生まれ。現在は大阪府交野市に住む、中年サラリーマンのおっさんです。
趣味は、自転車とドラム。
自転車は「メタボやし、ちょっとは体を動かさんといかんなぁ」という一応、健康目的から2005年10月にクロスバイクを購入し、2009年06月にやっとこさロードバイクを購入しました。
ドラムは高校ぐらいから始めてるんでキャリアは長いですが、実力が全くついて来ずといった状況で現在に至っています。
ということで、趣味の自転車とかドラム(音楽)とかを中心にしながらも、特にそれらに拘らず、適当に思いついたことを書いていこうと思います。

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる